2024年1月16日火曜日

黄帝針経の基本としくみ(12)

  【本輸】

 黄帝と歧伯の問答の辞は,篇首にしかない。おそらくは編集者が,篇の概要を示すために作文したものであろう。もともと一つの篇である。『太素』巻11には本輸篇に続いて変輸篇(『霊枢』順気一日分為四時篇)がある。本は基本あるいは本来,変は変化または応変だろう。

 目録

 黄帝が問うところは,後段の目録になっているらしい。つまり編著者の筆になるのではないか。しかし,それにしては,辻褄の合いかたが些か心細い。

 「経脈之所終始」 経脈についてはその始まりと終わりをいう。

 「絡脈之所別起」 絡脈にその別れて起こるところをいう。上文の経脈と下文の絡脈が対のようだが,本輸篇には絡脈の記事は乏しいように思う。そもそも「絡」という字は三焦の記事中に数カ所でるだけである。L05根結の根流注入の記事が続いて有ったのかも知れない。

 「五輸之所留止」 五輸の留まり止まるところは概ね頸項である。

 「六府之所與合」 五蔵と六府が与合するところについての記事がある。              

 「四時之所出入」 四季に取るべき本輸の記事がある。

 「蔵府之所流行」 蔵府の流行する所はどこのことをいうのか分からない。


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