2024年1月9日火曜日

黄帝針経の基本としくみ(6)

  邪気 濁気 清気

 邪気は上に在り,陥脈に針すれば(これを上に取れば)邪気が出て,濁気は中に在り,中脈に針すれば(陽明の合を取れば)濁気が出て,清気は下に在る。清気についてはどうすればどうなるという記事が無い。かわりに針が深すぎると邪気が反って沈み込むという。

 濁気と清気を対にして論じているのでは無く,邪気と清気で対なのだと思う。つまり邪気は風気でやや敷衍していえば風熱であり,清気は凊湿である。ところで『太素』の楊注では「清は寒気なり,寒湿の気は多くは足より上る,故に下に在るなり」という。また『康熙字典』に「(清は)凊と同じで,寒なり」という。つまり「清気」であっても,寒気であって,風熱の気と対挙しての論と見做せる。

 ここでは小針解に拠って,陥脈と中脈を施術の部位として解釈した。小針解を『針経』を編纂した者の意図として重視したからであるが,実のところ些か心許ない。先にいって小針解にて,「それでも小針解を採りずらい」問題として再度話題にする。


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