気至りて効有り
「これを刺して気至れば,乃ちこれを去りて,復た針する勿かれ」。
用いるべきツボを選んで,刺しさえすれば効く,と言う訳にはいかない。気が至らなければ,効果は無い。「気が至る」とは,どういうことか。さてそれは,針医の終生の課題であろうから暫く置くとして,気が至ったら直ちに抜かなければならない。後段に「刺の害は中りて去らざれば則ち精泄れ,中らずして去れば則ち気を致す」とある。針を引くのが遅れて,施術が過剰になることを,より多く嫌う。
二つの段落がもと一つであったのかどうかは定かではないが,「気至りて効有り」という手応えは通底している。また篇首の「微針を以て経脈を通じる」にも叶う。気が至ってこそ,経脈は通じたと認識される。
L09終始にも「いわゆる気至りて効有り」とは,瀉すときは脈の大なることはもとのままでも,堅さがとれ,補すときは脈の大なることはもとのままでも,堅さが益すという。故に曰く,補すときは則ち実し,写すときは則ち虚す,痛み針に随わずといえども必ず衰え去るなり,と。
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