2024年1月12日金曜日

黄帝針経の基本としくみ(9)

  五蔵の原穴

 五蔵に疾有れば,応は十二原に出ず。五蔵に疾有れば,当にこれを十二原に取るべし。

 原穴は微針でもって術を施すべきポイントであり,五蔵は経脈を通じた先の病所である。膈以上の陽中に心と肺が在り,五蔵の陰陽から心は太陽,肺は少陰である。膈以下の陰中に脾と肝と腎が在り,五蔵の陰陽から肝は少陽,腎は太陰である。脾は中央の至陰である。所属経脈の陰陽とは関わらない。

 五蔵の診断点(原穴)がいきなり腕踵関節に想定されるわけは無い。やはり直下の奥に五蔵が在ると想定した(背腧篇の)背腧が,診断点であり治療点であることの始まりだったのだろう。『針経』の配穴例の多くが挟み撃ちであることからすれば,原穴と背輸という二様の治療点を接続して,五蔵を治療するという思いつきは正統的と言える。

0 件のコメント:

コメントを投稿