壽夭剛柔第六 法律
寿夭篇と剛柔篇なのかも知れない。それにしては,「剛」「柔」は黄帝が少師と問答する最初の段のみに現れ,「寿夭」は黄帝と伯高が問答する段落の二番目に集中する。
☯剛有り柔有り
病の在る部位を,五蔵、六府、筋骨、皮膚とする。それに対して取るべきところには,陰の滎輸、陽の合、陰の経、陽の絡がある。外の陽を皮膚と解すれば,絡脈を刺すのが相応しい。内の陽を府と解すれば,陽の合を刺すのが相応しい。経文の「陽之陽」と「陰之陽」を入れ替える。五蔵に在れば陰の滎輸を取り,筋骨に在れば陰の経を取る。
☯外内の応は奈何
風寒は形を傷ない形が病み,憂恐忿怒は気を傷ない蔵(気)が病む。風寒のうち風によっては筋脈が傷なわれ,寒によっては皮膚が傷なわれる。
病むこと九日で刺すこと三の治療をする。もっとも形が先ず病んでいるが未だ蔵には入ってなければ,その半分にし,蔵が先ず病んで形が応じたものは,その倍とする。
☯寿と夭
形に緩急が有り,形充にして皮膚が緩であれば寿となし,形充にして皮膚が急であれば夭となす。気に盛衰が有り,形充にして脈が堅大であれば順となし,形充にして脈が小弱であれば気の衰となす。骨に大小が有り,(形充にして顴が起こるものは骨が大きく,骨が大きければ寿となし,)形充にして顴が起こらないものは骨が小さく,骨が小さければ夭となす。肉に堅脆が有り,形充にして大であり,肉に分理が有って堅であれば寿となし,形充にして大であり,肉に分理が無く脆であれば夭となす。(皮に厚薄が有り,皮が厚ければ寿となし,皮が薄くければ夭となす。)(骨の大と,皮膚の厚薄の条を欠くが,補った。)
☯刺有三変
営を刺して血を出すことが有り,衛を刺して気を出すことが有り,寒痹の経に留まることが有る。寒痹を刺すのは,内熱させるのである。内熱させるには,庶民には焼針でいいだろうが,上流階級にはそうはいかない,薬熨を施す。
馬矢煴とは何か。かつての中国では馬糞を燃料として用いたらしい。しかし,後に「蓋封塗,勿使泄」というところをみると,馬糞の発酵熱を利用して,長時間にわたって熱しつづけるのかも知れない。なぜ生桑炭で炙るのか。呪術的な意味づけが想像されるが,桑には薬効も期待する。時代はくだるが,かの『喫茶養生記』には,茶と並んで桑の薬効が詳しいという。L13経筋篇にも「以桑鉤鉤之,即以生桑灰,置之坎中」という。
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