2026年1月20日火曜日

四時の出入するところ

 原穴が五蔵の診断兼治療点で,五蔵の身体を管理する能力がいうほど強力であるならば,他のツボなどは無用の長物,である。実際にはそうは行かないから,拡張セットを用意する。原穴でダメなら本輸が有る。

 ではどのように使い分けるのか。篇末に,基本的に四季に応じて,春は滎、夏は輸、秋は合、冬は井を取るとある。冬が井であることが不審かも知れないが,冬至が陰が極まって一陽を生じる時だから,冬に陽の始まりである井を取る。その他に,春、秋には絡脈と大経分肉の間を取り,夏には孫絡と肌肉の上を取る。この身体部位の何処を取るかという指示を逆用すれば,井滎輸合をどのような身体事情に応じて取るかの参考になるはずである。冬には諸井と諸輸を取る。諸井を取ることはすでに述べたが,諸輸は分からない。あるいは骨髄の誤りかも知れない。終始篇の春気は毫毛に在り,夏気は皮膚に在り,秋気は分肉に在り,冬気は筋骨に在りも参考になる。

 冬には井穴を取り,春には滎穴を取り,夏には輸穴を取り,秋には合穴を取る。これを陽が尽きて一陽が生じるときは井穴を取り,陽が盛んになりつつあれば滎穴を取り,陽が極まって一陰が生じるときはには輸穴を取り,陰が盛んになりつつあれば合穴を取る,と拡張できる。それでは井・滎・輸・合穴に針刺するとして,それからどうするのか。別にどうともしないのではないか。それぞれの状況にしたがって,勝手に自然に,陰陽性の是正にむかう。

 盛ならず虚ならざれば,経を以てこれを取るというのも,四季に井滎(分)[合]輸をとるというのと暗合する。

 それにそもそも,「微針を以て経脈を通じる」治療法を提唱しているのであるから,五蔵の原穴を取って治療を試み,それで駄目なら,原穴から延びる脈上に拡張して,井・滎・輸・合穴を取ろうとするのは,当たり前の発想だろう。


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